細胞診検査の提出方法Submit
▶依頼書 ▶塗抹標本(スライドガラス)で提出される場合 ▶検査材料を直接提出される場合依頼書
より正確に検査を行うために、以下の項目は必ず記入をお願いいたします。
1)患者氏名、性別、年齢、採取日
2)材料、採取方法、固定方法
3)臨床診断・所見・経過、放射線治療、ホルモン剤使用等
4)婦人科材料の場合、月経等諸事項
5)細胞診歴
塗抹標本(スライドガラス)で提出される場合
すりガラス部に患者氏名・材料、乾燥固定の場合は「乾燥」または「ドライ」と ご記入下さい。
婦人科 | 湿固定(1~2枚) | 塗抹後直ちに湿固定して下さい。 |
喀痰 | 湿固定(2枚) | 2枚のスライドガラスの問に「小豆」大の喀痰をはさみ、前後左右に押しつぶすようにむらなくのばして下さい(すり合わせ法)。 塗抹後直ちに湿固定して下さい。 |
各種洗浄液 | 湿固定(2枚) | 1000×g(2000rpm~3000rpm)で5分間遠心後、沈査物を塗抹して下さい(すり合わせ法、または引きガラス法)。 塗抹後直ちに湿固定して下さい。 |
各種擦過物 | 湿固定(1枚) 乾燥国定(1枚) |
擦過物は非常に乾燥しやすいので、塗抹と同時に湿固定を行って下さい。また1枚を乾燥固定して下さい。 |
液状検体 ・尿 ・胸水 ・腹水 ・心嚢液等 |
<尿> ・湿固定(2枚) <腹水、胸水、心嚢液> ・湿固定(3枚) ・乾燥固定(1枚) |
1000×g(2000rpm~3000rpm)で5分間遠心後、沈査物をすり合わせ法、または引きガラス法にて標本を作製して下さい (血性の場合はバッフィーコート部分を塗抹して下さい)。 塗抹後直ちに固定して下さい。 |
各種針穿刺吸引 ・乳腺 ・甲状腺 ・肺 ・リンパ節 ・胆嚢 ・肝臓等 |
湿固定(3枚) 乾燥固定(1枚) |
スライドガラスに静かに吹きだし、検体が微量の時はもう1枚のスライドガラスを重ね合わせ、すばやく1枚を湿固定1枚を乾燥固定して下さい。 やや多めに得られた時は引きガラス式にて何枚かの標本を作り、直ちに固定して下さい。 |
捺印標本 | 湿固定(3枚) 乾燥固定(1枚) |
スタンプ割面はメスやカミソリを用いて新しい面を作り、組織をガラスに軽くピンセットでおさえ静かにはがして下さい。 この時ズレないようにすることが最も大切です。厚めに塗られた標本は直ちに湿固定し、何枚か作って塗抹が薄くなったら乾燥標本にして下さい。 |
塗抹の仕方は検査材料の種類、性状などに応じて異なります。
●固定法●
固定は細胞の変性、融解などの変化を停止させる作業ですので塗抹後直ちに固定する必要があります。
固定法には湿固定と乾燥固定などがあります。
固定の良否は細胞診の判定内容を左右する重要な因子の一つです。迅速な固定をお願いします。
1)湿固定
スライドガラスに検査材料を塗抹後、直ちに固定して下さい。
固定方法として95%エタノールに30分以上浸漬またはコ-テイング固定剤を使用して下さい。
2)乾燥固定
スライドガラスに検査材料を塗抹後、冷風にて迅やかに乾燥させて下さい。
スライドガラスに「乾燥」又は「ドライ」とご記入下さい。
検査材料を直接提出される場合
喀痰、気管支洗浄液、液状検体などの材料で提出される場合、細菌検査とは別に提出して下さい。
採取後は冷蔵にて保存し、即日に提出をお願いします。
検査材料を長時間放置しますと、細胞の変性・融解をおこし、誤判定の原因になります。
また、下記以外の材料を提出される場合、弊社までお問い合わせ下さい。
喀痰 | 唾液ではなく痰を出して下さい。 |
胸水 腹水 心嚢液 |
材料10ml以上に必ず抗凝固剤(例えば3.8%クエン酸ナトリウムなど)を少量添加して提出して下さい。 |
尿 | 原尿(遠心沈澱前)を10ml以上提出して下さい。 |
蓄痰 | 専用容器で提出して下さい。1日1回早朝痰を容器に喀出し、痰を入れたらフタをして、15~20回強く振って下さい。 この操作を3日連続して行ないます。 |